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原発再稼働は許されない!

福島事故の実際の姿は細部についてはいまだに不明とされています。しかし、本当にそうなのでしょうか。東京電力が情報を小出しにすることで事故の真相を分かりにくくしている側面もありそうです。事故から4年の経て、格納容器の蓋のシールが300度の熱に耐えられず破損してそこから水素ガスなどが原子炉建屋に漏洩したという事実がようやく公表されました。あの鉄筋コンクリートの屋根を吹き飛ばした水素爆発を覚えておられるでしょう。あの水素爆発とこの公表事実を結び付けてみると、あの事故の極めて重大な問題点がいくつも見えてきます。事故当時原子力村の学者たちがテレビで「まだ最後の防壁、格納容器が健全だから大丈夫だ」とギリギリまで叫び続けていました。そのとおり、格納容器は燃料溶融、圧力容器や配管の破損などで漏れる放射能をその内に閉じ込め国民を放射能から守る最後の防壁と言われていました。格納容器の気密性は安全上最重要ランクに属するものです。炉心で発生した水素は一体どこから原子炉建屋に漏れたのか、格納容器のベント(圧力を逃がすための気体の放出)の際に漏れた等いろいろ言われてきました。何と、蓋のシールの耐熱性の不足です。肝心かなめの機器に致命的な欠陥がありながら気づかれることもなく何十年も原発が運転されていたのです。背筋が寒くなるような事実ですが、数年の時間差がショックを和らげます。実に巧妙かつ狡猾な公表の仕方だと思います。

 でも、全く皮肉なことですが、この不具合が福島原発事故の被害を軽くしてくれたのです。格納容器には水素を酸素と再結合させて水に戻す再結合機が備えられていますが、これが全電源喪失で使えませんでした。格納容器内で水素爆発が起きれば重要配管そして圧力容器すら危ない。チェルノブイリの二の舞になるところでした。原子炉建屋に漏れてよかった。そして。さらに爆発してくれてよかったのです。水素爆発が建屋の屋根を吹き飛ばしてくれたおかげで建屋最上階に作られていた使用済み燃料プールの冷却が可能になったのです。ヘリが海水をくみ上げ投下し、消防車がむき出しになったプールに放水した映像を思い出して下さい。それで使用済み燃料プールの冷却が可能になったのです。それがなければ使用済み燃料が溶融していました(水を循環させて冷却し続けなければ、放射性物質の分解熱=崩壊熱で温度が際限もなく上昇します)。関東全域が危うくなると心配した菅直人首相の当時の懸念こそが事故の実情をとらえていたのです。高い放射線量の原子炉建屋には入れません。屋根にダイナマイトで穴をあける勇気を持てる者があの時いたでしょうか。安全審査では「想定不適当」とされた水素爆発、これもまた不幸中の幸い、大変な幸運でした。この幸運を無駄にしてはいけないのです。原発再稼働、とんでもありません。